特に2011年3月の東日本大震災をきっかけとした福島第一原発の事故や、中国との尖閣諸島におけるコンフリクトは日本通でなくても知っている人が多い。まずは、安倍政権のエネルギー政策について考えてみたい。
同僚の質問に対しては、『LDP(自民党)が政権を握ることによって、日本は原発稼働の可能性が増えるだろう』との説明を行ったところ、電力分野の専門家である同氏は『コストの観点からInevitable(避けられない)選択肢と思う。』と理解を示していた。年末のテレビに登場した安倍総理をはじめとした、茂木経済産業相大臣等の関係者の発言を聞く限り、自民党のエネルギー政策は民主党のそれとは異なっているとの印象を受けた。民主党政権下においては、閣僚決定は見送ったものの、2030年代には原発稼働をゼロにするべく検討し、選挙公約(マニフェスト)にもその政策を提示していた。新自民党政権では、原子力規制委員会によって安全性が担保され、立地地域の理解を得られれば、原発の再稼働を行うということのようだ。
但し、どの程度の数の原発の安全性が担保されるか分からず、また、その時期も不透明なので、当面は、代替エネルギーとして、LNG(液化天然ガス)や再生可能エネの導入、省エネの最大限の推進が必要となろう。2030年までに、再生可能エネを現行の1000億キロワット(水力を含む)から、3000億キロワットに増大するという枠組みも、民主党政権下であるものの、政府の方針として確認されているので、電源構成のベストミックスという意味においても、再生可能エネは重要な課題である。また、再生可能エネの導入については、自民党の総合エネルギー政策委員会のウェブ等を見ても肯定をしているようだ。
それでは自民党政権に何を期待するのか。まず、再生エネの導入に欠かせないのが、事業者、受益者とのバランスである。日本の電力事業は総括原価主義であるので、事業のコストは全て消費者に反映される。現在、日本の太陽光の固定価格買取制度は42円/KWhと高額である。私自身もアフリカの数国において太陽光のプロジェクトに関わっているが、USドル20セント(約17円)/KWhを基準としたPPA(電力買取り協定)でも、開発成果(Development Outcome)という観点において、受益者に利益をもたらしていないと非難にさらされることもある。ドイツにおける負担増や失敗例が引き合いにだされることも多い。この日本の買取金額はグローバルスタンダードから見ても、明らかに逸脱をしているといえよう。この多額な買取制度は、メーカーと事業者に対する補助金に過ぎないとも言い換えられる。一刻も早く、価格を改定してほしいと思う。
また、エネルギーの安全保障という観点から、特定のエネルギー源に過度に依存しないという意味で、既存エネルギーのみならず、シェールガス、メタンハイドレイド等の新たな可能性も引続き模索してほしいと思う。そして外交政策と共に新たな枠組み、シベリアのガス田開発や、パイプライン敷設の検討等の可能性を探って欲しい。更には、供給先の分散という意味でも、アフリカにおける、LNG開発や、エタノール開発等を是非実践してほしいものである。アフリカ大陸の2%の土地を利用すれば、アフリカ総人口10億人の為の発電に必要なエタノールを供給可能という説もある。資源が豊富で、土地の利用が可能なアフリカは日本に貢献できる余地は大いにある。少しアフリカの宣伝になってしまったが、是非、安倍政権は新たな時代に向けて、エネルギー政策を構築して欲しい。
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