さて、安倍新政権の政策の話をしたい。12月26日の政権発足とともにテレビのインタビューを受けていた安倍晋三は、以前よりも落ち着いて、そして、自信があるように見受けられた。安倍政権のプライオリティーは景気回復とのことだ。その為には円高デフレ対策を争点の要に据えているという。更に、日本経済回復の為には、金融政策のみならず、財政政策、そして成長戦略が欠かせないという。
まず、金融政策の点から考えてみたい。安倍政権は、一段の金融緩和を日銀に迫り、名目GDPとして2%程度のインフレターゲット政策を行おうとしている。日本の人口が減少する状況において、金融緩和のみで、インフレ促進がそもそも可能なのだろうかというのが純粋な疑問点である。
ちなみに、評論家の上念司氏によると、日銀がその理論を支援している『人口の減少とデフレの関係性』を統計学的に分析しても、相関関係は少ないという。一方で、通貨発行量とインフレは非常に高い相関関係を示すとのことである。私は、数年前に『デフレの正体(中央公論新社)』という本を読んだことがあるが、実は、デフレとは人口の波の影響されると信じていた。この考えは間違えているのだろうか。正直、謎である。
それでは、一段と金融緩和を加速することによって、インフレがコントロールが出来ない状況に陥らないかというのが懸念として残る。私は2008年末のリーマンショックの時に米国のビジネススクールでファイナンスを学んでいたが、当時、FRB(米国連邦準備制度)が自らのバランスシートを1兆ドルから2兆ドルに急拡大し、市場に流動性をもたらしたのを覚えている。バーナンキ議長は、市場に紙幣をばらまいたことから、『ヘリコプター・ベン』の異名まで与えられていた。ビジネススクールの授業においても、必ずハイパーインフレの反動に襲われだろうとの意見が、クラスの半分以上を占めていた。あれから、4年の歳月がたったが、今のところ、アメリカにおいてインフレが抑制できないという状況には至ってはいない。インフレを抑制し、経済の低下を食い止めたバーナンキ議長の功績は大きいと思う。
何れにせよ、通貨発行量とインフレの高い相関関係は統計的に証明された事実のようだ。また、管理された継続的な金融緩和であれば、ハイパーインフレの懸念は少なそうなので、今回の安倍政権の方針には私も賛成である。ならば、長期金利が急上昇し、国債が暴落することにはならないだろうかというのが更なる疑問であるが、これは景気を回復させ、税収を増やし、財政を安定させることによって、食い止めるしか方策がないのであろうか。税収を増やすために金融緩和を行うという事は理解できるが、財政支出に関してはその懸念が起こらないようなバランスが求められると思う。
昭和の時代を懸命に生きてきた人々が世を去っていく。そして、昭和を築き上げた自民党が、新たな時代とともに、変貌を遂げられるのか。日本が置かれている状況は厳しさを増しているが、安倍政権の動向をアフリカから熱く見守っていきたい。
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